女性に優しい就業規則とは?

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ジェンダーギャップ指数2022

2022年7月 ジェンダーギャップ指数が発表されました。

ジェンダーギャップ指数とは?

各国の男女格差を「経済」「教育」「健康」「政治」の4分野で評価し指数化されたものです。
日本は116位(146ヶ国中)、主要7ヶ国では最下位です。
そうなると気になるのが1位ですよね。
1位はアイスランドで13回連続トップ、後にはフィンランドやノルウェーが続きます。

「経済」に着目

今回は「経済」に着目してみます。
「経済」では121位。内訳は下記のようになっています。

  • 女性の労働参加率 83位
  • 同一労働の賃金格差 76位
  • 収入格差 100位
  • 管理職の割合 130位

普段給与計算をしていて賃金格差はあまり感じたことはありませんが、
この結果を見るとまだまだ格差のある企業は多いようです。
面白いのは「教育」では日本は1位となっている点です。
教育は男女完全平等なのに社会に出ると一気に格差が拡がっています。
完全平等であれば能力もほぼ同じなはず。
どうして社会に出ると格差が生じてしまうのでしょうか。

女性の労働参加率が低い理由

法改正もあり以前よりは制度も整って来ていると思いますが
実情はまだまだ女性の負担が多いと感じます。
帰宅後の家事・育児、子供の学校行事への参加、体調不良時の対応など
周りを見てもやはり女性がやっているケースが大半です。
逆に男性がやっていると一目置かれたりします。

先日読んだ資料では、妊娠後退職する女性がまだ50%弱いるとのことです。
やはり仕事をしながらの出産・子育てに対する不安感は大きいようですね。


女性の働きやすい職場とは

ではそのような不安を抱えている女性が働き続けられる職場にするには
どうしたら良いでしょうか。

その企業独自の制度を導入

有名企業の制度を調べてみると女性に優しい制度が沢山あります。
例えば「妊活休暇」「妊活コンシェル」、子供の体調不良時の「キッズ在宅」、
学校行事対応時の「キッズデイ休暇」など、これまでは自分の有給休暇を使って
いた部分に別の休暇を当てられるというのは女性にとってとても有り難い制度だと
思います。

多様な働き方

ライフイベントに対応できる働き方が定められているとその時の状況に応じて
自ら選択できるので途中でキャリアを中断することも少なくなります。
パートから正社員、その逆の転換制度は子供の成長や親世代の介護の発生時などに
使えるのでいいですね。
また、フレックスや時短、在宅勤務なども選択できれば働きやすくなります。

中小企業はどのように対応していくか

上記のような制度は大企業であれば代替人材も多く導入は難しくないかもしれません。
ただ中小企業で同じようにできるかとなると難しい面も多いです。
一人の担っている業務も多く、その人が欠けると代替人材がおらず結果的に休めない、
という現場がほとんどではないでしょうか。
休めないのであれば出勤してもらうしかありませんが少しでも負担は減らしてあげて
ほしいです。

たとえば大手企業に見られる「企業内保育園」。
中小企業が導入するのは難しいですが、近隣のいくつかの企業で共同して設立すれば
他社との交流もでき、近くに子供を預けられるという安心感にも繋がると思います。
母親のコミュニケーション能力は侮れないのでそこで新たなビジネスが立ち上がることも
あるかもしれません。

まとめ

今回は女性のための制度として書いてみましたが、このような制度が女性だけに認められると
その分また賃金格差が出てきてしまうので男性も使えるといいと思います。
また、他社にはない独自の制度を導入すれば良いアピールにもなります。
自分だったらこんな制度がほしい、と考えてみるのも面白いのではないでしょうか。
制度ができあがったらきちんと就業規則にも記載して上手く運用していくようにしましょう。

総務省 令和3年版 情報通信白書/テレワークの実施状況https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd123410.html?fbclid=IwAR1KNgwhuUendWKMYS2UGsQPptAh5j68ftbh–AZ-Un9DiVjUw9PZ9mJ9wo

著者のイメージ画像

伊藤 明子

大学卒業後、都市銀行本店営業部に配属。学生時代に税理士を目指していたこともあり税理士法人へ転職。育児専念期間中にファイナンシャルプランナー取得。その後別の税理士法人に勤務しながら社会保険労務士資格を取得し、2022年4月開業。 2つのFM局でパーソナリティとして番組を持ち、人事労務についてなるべく専門用語を使わずわかりやすくを心掛け発信中。