地域別最低賃金目安 引上げ額過去最大に

令和5年度の地域別最低賃金引上げ額の目安が先日発表されました。

目次

引上げ額は過去最大に

全国加重平均は過去最大の41円。
昨年の31円でも随分上がるな、と思いましたが今回はそれ以上です。
目安通りに引き上げられれば、全国加重平均額は1002円となり、ついに1000円
を突破することになります。

地域別引上げ額の目安

最低賃金は全国をA~Cの3ランクに区分し、そのランクごとに金額が決められています。
Aランク(東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・愛知)では41円
Bランク(北海道・京都・兵庫など28道府県)で40円
Cランク(青森・秋田・岩手など13県)で39円

目安通りに引き上げられれば東京が1113円となり最賃最高額に。
1000円以上となるのは8都道県となります。

なぜそこまで上がったのか

この地域別最低賃金を決定する3要素があります。

  • 労働者の生計費
  • 賃金
  • 通常の事業の賃金支払能力

今回は物価上昇を考慮し、特に生計費が重視されました。

企業はどう対応していけば良いのか

これまでもインフレ手当を設定したり、物価上昇に対応すべく様々な取り組み
がありましたが、その物価上昇分を価格転嫁できない中小企業はそのような手当を
つけるのは難しかったと思います。
今回の最低賃金引き上げは厳しいものになりますが、業務改善助成金など対象事業を
拡大していこうという動きもあるようですのでアンテナを張っておきましょう。

まとめ

高卒の初任給も20万円を超え(事務職除く)、最低賃金も1000円超え、と今後人材不足の中
募集時の賃金を高めに設定することになりそうです。
それに加えて在職中の従業員の賃金も引き上げていかなければなりません。
まだこの引上げ額は目安ですが、10月の正式決定の際に慌てなくて済むよう準備は整えて
おきたいですね。

厚生労働省:令和5年度地域別最低賃金額改定の目安についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34458.html


著者のイメージ画像

伊藤 明子

大学卒業後、都市銀行本店営業部に配属。学生時代に税理士を目指していたこともあり税理士法人へ転職。育児専念期間中にファイナンシャルプランナー取得。その後別の税理士法人に勤務しながら社会保険労務士資格を取得し、2022年4月開業。 2つのFM局でパーソナリティとして番組を持ち、人事労務についてなるべく専門用語を使わずわかりやすくを心掛け発信中。